「ヨザック?」
 やっと気がついたのか、ゆっくりと起こした顔は緊張というか、神妙というか、とにかく見たことのない表情だった。
「まるで知らない人と無理矢理結婚させられる乙女って感じだね。」
 思わずクスクスと笑いながら言ってしまった。
「……、まぁ!? それじゃやっぱりウエディングドレス着れば良かったですねぇ~」
 君、明らかに照れ隠しだって分かるよ。
 椅子から立ち上がり、苦笑気味にこちらに歩いてくるヨザックの礼服姿。
 クソッ、なんでああも似合うかな。

 そのときサロンのドアが開き「宣誓をされるお二人が入場されます。」という声が聞こえた。
「さて、それでは行こうか?」
「はい、猊下」

 グレタを先頭に、僕はヨザックの手を取り、半円を描くように椅子に腰掛けている人たちの中心へと進む。
 所定の位置に立ち皆さんに一礼。お互いに向かい合い、両手を取り合う。

『宣誓』

 私、村田健はここに立つグリエ・ヨザックを、
 私、グリエ・ヨザックはここに立つ村田健を、

『今後の永き人生のパートナーとし、
 その喜びは我が喜び、その痛みは我が痛みとし、
 自らの半身として、
 愛し、信じ、誠実であることを誓います。』

 私、村田健はこの誓いを守り、その証としてこの指輪を贈ります。
 私、グリエ・ヨザックはこの誓いを守り、その証としてこの指輪を贈ります。

『私たち二人は生ある限り、共に並びあって歩むことをここに誓います。』

 お互いの言葉とリングの交換、誓いのキスが済み、再び立ち会った人たちに向かい合う。
 そう、こんな簡単なことで僕たちはお互いの『人生のパートナー』となった。

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