渡されたのは両手にすっぽり収まる、細かなカッティングが美しい無色の小瓶。ずっと持っていても手のひらの温もりが移ることもなく、いつまでも冷たいまま。
「水晶ですね」
「そう」、目の前の人はまるで子供のように笑った。
「香水瓶……ですか?」(そもそも、なぜ私などを招いたのだろう?)
「いいえ」、今度は老人が子供に微笑みかけるよう。どちらの笑みもこの方なら当然だ。
「なにも入っていないように思えますが」
「それをテーブルに置いて。マグダ、お願い。さあ、ハナさん、よく見ているのですよ」
名前を呼ばれた少女が歩み寄り、瓶を囲うように手を広げた。しばらくすると瓶の中にほんのりと浮かび上がってくるものが見えてきた。
「あの、これは……」(さっきまで何も入っていなかったのに)
「見えましたね? 私はあなたにこれを託します。新しい人生を始めさせてください」
「ウルリーケ様?!」
こうして、私はいつ生まれるかも分からない子の後見人となった。

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