時が経つと、俺が城下に遊びに行く時の同行者──というかお目付け役?──は少尉から息子のフリッツに代わり、フリッツは商人修業から帰ったソラを連れて来るようになった。一緒に出かけるうちに両親に似たところや、二人と違うソラ自身を見ることが楽しくなった。それに、眞魔国日報で短い書名記事を書いていたベネラはいつの間にか長い海外の特集記事を書くようになって、その記事を読むたびニヤついてしまう。まっ、なんていうか、遠縁の叔父さんって感じだ。

「沿岸部の状況は?」
「はい、予報に従ってみなは避難しており人的被害はありません。しかし、建物と船の一部に被害が出ております」
「予報官によれば、前のようにもう一つ台風が控えている可能性があるそうだ。近海の調査は確実に波が収まってからするように」
観測して分析し、予報を組み立てて迅速に伝える。眞魔国ではこの仕組みがうまく機能し、異常気象になんとか対応できるようになってきた。この仕組みがもっと早くほかの国にも広がっていたら、ヨザックは船に乗らず、今もハナと暮らし、子供たちの成長を見ることができただろう。

出て行く伝令と入れ替わりに入ってきた統計局の差し出した書類を見たギュンターがため息をついた。
「どうかしたのか?」俺が声をかけると、彼は書類を差し出しながら「この人口調査の結果をご覧ください。魔族2割、混血4割、人間4割。まさに予言通りとしか……。猊下はどこまで将来を見通していたのでしょう」
「さあ、俺にも分かんないよ」
だけど、この国と俺たちの将来を心配していたのは確かだ。

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