あっ、けんちゃんだ、ねっ、おろして、はやくおろして!!」
「ユーリ、今降ろします。そんなに急いだら、転びますよ。」
ぱたぱたと此方に駆け寄ってくる小さな魔王さま。

「…ゆーちゃん…」
その様子を見て、ヨザックを見上げて、再度それを見る小さな大賢者さま。
一緒に読んでいた本からは視線が外れている。
なので、そっと床に下ろしてやる。
「どうしたんです、呼ばれてますよ? はい、猊下いってらっしゃい」
「うん!!」

「けんちゃん! あーそーぼ?」
駆け寄ってきたユーリが村田の手を取る。
ぐいぐいと、今のユーリに精一杯の力で村田を引っ張る。
「うん」
「へーいか、そんなに引っ張ったら猊下転んじゃいますよー」
「へーかじゃないの!」
ぷい。
そっぽを向くユーリ。
ある意味変わらないその仕種。
小さくなってからそれが誰にでも向けられる行動になったというだけ。
「よじゃく!」
「はぁい?」
ユーリに引っ張られながら村田がヨザックを向く。
前を向かないと危ないのに。
「よじゃくも、いっしょに行こ?」
「はぁーい、勿論お供しますよー」

こんな保護者たちの心の内では…

まぁ、猊下、かっわいい!! さっすがオレのコーディネート
あのくらいのヒラヒラなら着てくれるんだなぁ…
今度はもうちょっとフリフリでも大丈夫かしら…ウフッ

なんだぁ、ヨザの奴? あんなグレタが着そうな服を着せて…
やっぱり男の子なんだからユーリみたいに動きやすい服の方が良いのに。
それにしてもユーリはかわいいなぁ…

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