幼い村田は意外にも散歩が好きなようだ。
午後に一度は中庭へと出掛ける。
勿論、一人で行くことはなく、ヨザックと一緒に、だけれど。
「はい、左足出して下さい」
「ん」
立膝で床に腰を下ろしているヨザックが村田の片足を取る。
靴の紐を結んでやる為だ。
以前だったら自分でやると突っぱねられたかも知れないけれど今は違う。
大人しくヨザックに任せてくれる。
足がぶらぶらと動かないように立てた膝の上に村田の足を置いて固定する。
それから靴の紐を結び始める。
「……」
「はい、猊下。今度は右足ですよー」
ちょん、と結んで左足を離して右足を取ろうとする。
けれどそのヨザックの動作は途中で止まった。
「……よじゃく、かみの毛きれい」
そっと、柔らかな感覚で髪に触れられたのだ。
それは、村田の小さな手。
「……ありがとうございますー。猊下の御髪もオレなんかよりもすっごく綺麗ですよ」
「ううん、よじゃくの方がきれいな色」

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